インドのGDPが日本を抜くのも時間の問題なのか。その一方で、インド経済には意外な逆風が吹いているというニュースが飛び込んできた。果たして、私たちはこの状況をどう受け止めればいいのか。
建前としては、インドの成長を祝うべきだろう。人口も多く、IT産業や製造業の発展により、経済は急成長を遂げている。国際舞台での存在感が増す中、日本もお手本にすべきだという声が高まるのは自然の成り行きなのか。だが、本音は異なる。特に日本企業にとって、インドの成長は脅威でしかない。「あっちが成長すれば、自分たちの仕事が減るんじゃないか」と不安になるのも無理はない。どこか他人事に感じながらも、実際にはオリンピックのような自国のイベントと同じように、他人の成功を素直に喜べるかどうかは疑問だ。
報道によると、インドには成長を阻む2つの落とし穴があるという。その一つは「インフラの未整備」。道路や電力供給など、ビジネスを支える基盤がまだ十分ではない。もう一つは「高い失業率」。若い世代が多いとはいえ、その実力を市場で発揮できない現実は、経済成長の足かせになり得る。つまり、どれだけGDPが伸びても、その実態が伴わなければ、もろい基盤の上に立つ家のようなものだ。「マネーゲーム」を狙った企業には魅力的かもしれないが、実際に働くのは勝ち残った人たちだ。そのリスクをどう考えるかが問われる。
さらに、我々の生活に置き換えると、無邪気にインドの成長を祝している場合ではない。「インドが日本を抜く」と聞くと、つい「アジアの誇りだ」と思ってしまうが、実際は経済の競争が厳しさを増すだけ。これまで以上に、日本企業がインド市場に進出するためには具体的な戦略が求められる。コスト削減を口実にして、労働環境を悪化させるようなことになれば、自分の首が締まるのではなく、業界全体が窮地に陥るだろう。
ここで皮肉を一つ。この「逆風」と言われるものも、アメリカや中国と比べると、まだまだ可愛らしいレベルだ。彼らの不景気や市場変動に対する耐性は、日本とは比べ物にならない。日本もかつてはアジアの大国と呼ばれたが、脇から色々なものを刈り取られて、いつの間にか後れを取っている。
正直な話、このニュースを「他人事」で済ませるのは簡単だ。問題は、自分の仕事や給料にどう跳ね返ってくるか、だ。今後、どのように自分自身を守るか、その視点を持つことが求められそうだ。


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