日本の多くの上場企業が最高益を更新しているというニュース、特に生成AI市場の拡大が一因なんて言われると、一見「いい時代が来た」と思うかもしれない。でも、実際のところ、会社員のあなたの周りでその恩恵を直接受けている人はどれだけいるのか、ちょっと疑問だ。華やかな決算報告と地味な現実の間に横たわるギャップが気になる。
建前としては、企業が成長することで従業員への還元も進むはず。つまり、賃金やボーナスのアップ、さらには待遇の改善を期待したいところ。ただし、本音を語ると、企業の業績が上がったからといって、現場で働く社員にその実感が伴うわけではない。むしろ「業績好調だから残業代を減らしても許される」という考え方も根強く、皮肉なことに企業の成長は社員の負担を増やすこともある。
今年度もフジクラが最高益を上げているのは、生成AIの波に乗ったという付加価値の産物だ。最新技術を駆使して市場をリードする企業が増えているとはいえ、成長の速さに従業員がついていけるのか疑問視する声も少なくない。新しい技能を身につけるための時間も労力も求められ、果たしてそれが自分の給料にどう影響するのか、その不安は消えない。
この現象をデータの上では知っていても、20~30代の新人ではない自分が、その恩恵を感じられる保証はどこにもない。結局のところ、そうした最高益の報告も、自分が抱えている仕事の増加や残業、さらには人手不足の問題を解決するものではない。会社の業績が好調だからといって、オフィスの空気は必ずしも明るくならないのだ。
このギャップに気づかないのが理想と言えば理想。しかし、情報過多の今、無視するのは難しい。企業がこれほど軒並み好景気の中、社員の給与水準が変わらないのなら、見えないところで何かが狂っていると考えるのは普通だ。実際、公共交通機関の運賃や物価の値上がりに心を痛めつつ、給料明細を見てため息をつく日常が待っている。
加えて、生成AI技術は投資する側にとっては明るいニュースかもしれないが、一方でそれに伴う技術変革に苦しむ社員の姿は容易に想像できる。AIの導入により効率化が進む一方で、スキルが時代遅れになるリスクも孕んでいる。キャリアアップを目指すのは当然だが、「次に何を学ぶべきか」を考えるだけで頭が痛い。
正直な話、このニュースを『他人事』で済ませるのは簡単だ。問題は、自分の仕事や給料にどう跳ね返ってくるか、だ。結局、企業の最高益が自身の生活にどう影響するのか、常に考え続ける必要があるのではないか。


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