結論としては、賃上げには生産性の向上が不可欠だ。建前としては、企業が労働者を大切にし、積極的に賃金を上げる姿勢が求められている。だが、本音はどうか。結局は利益追求に終始する企業が多いのが現実なのだ。
賃上げの議論が盛り上がりを見せる中、企業側は「生産性向上」の名のもとに、甘い言葉で労働者をなだめることに終始する。実際の現場では、どれだけ努力しても「お前の努力は認めるが、業績が悪いから賃金は据え置き」といった都合の良い理屈がまかり通るのが常だ。職場では「成果主義」の導入が進むが、その成果に至るまでの努力は全く見向きもされない。これでは労働者のモチベーションも上がらず、むしろ逆効果になるのではないかと思う。
また、経営側に立つ人たちは「人材を最大限活用して生産性を高める」などポジティブな言葉を並べるが、結局は人手不足の現実を無視した理想論に過ぎない。働き方改革が叫ばれて久しいが、実態は多くの企業が依然として残業だらけで、労働環境は改善されていない。労働者は「賃上げ」を求めて声を上げても、その代償に過重な労働を強いられる。「これが本当に生産性向上と言えるのか」と反論したい気持ちを抑えて日々働くのが、今の会社員の現実だ。
一方で、労働者に再教育やスキルアップを促す動きがある。だがこの教育、実際には多くの場合、自己投資で済ませられ、企業側は「社員の成長を応援しています」と建前を掲げる。自己啓発の末に、能力が上がっても、給料に反映されなければ意味がないのではと疑問を抱くのも無理はない。大学時代に勉強しても、就職してからの生活は別問題。それと同じだ。
結局、労働市場においては企業と労働者の立場に大きな差が存在する。賃上げの議論は建前としては耳障りが良いが、本音の部分では企業の経営者が実行に移すことを躊躇しているのが実感だ。そして、労働者と経営層との間での意識の温度差が、ますます広がっていくのも避けられない流れなのだ。
正直な話、このニュースを「他人事」で済ませるのは簡単だ。問題は、自分の仕事や給料にどう跳ね返ってくるか、だ。


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