パナソニックHDが人員削減12,000人に拡大するというニュースが波紋を広げている。経済の冷え込みや競争の激化が影響しているとはいえ、企業の経営判断は従業員の生活にも大きな影響を与えるものだ。表向きは「効率化のため」と言い訳するが、本音は「コスト削減のため」なのだろう。
実際、企業にとって採用した人材はコストであり、景気が悪化すると真っ先にカットされる対象になる。建前としては「会社の未来のため」とか「持続可能な経営を目指して」といった美辞麗句が並ぶが、裏では「人はいつでも入れ替えられる」という冷酷な現実がある。特に、40代や50代の従業員は、一度手放せば簡単には再雇用されない。これが現実だから、今後も転職市場は氷河期のようになることが予想される。
SPA読者であれば、こうしたニュースには胸が痛むという人も多いはずだ。特に自分と同じ年齢層の人が切られるニュースを見れば、他人事とは思えない。職場の「未来」と思っていた立場が一瞬にして「過去」になる可能性は誰にでもある。口には出さずとも、年齢やスキルに自信を持てないサラリーマンたちは多いだろう。そうした中で企業は「いかに効率的か」を常に追求し続ける。人間も数字の一部として扱われるのだから、やりきれない感情も湧いてくる。
ここからは皮肉だが、パナソニックの人員削減が「業績改善」として報じられたことには疑問もある。もちろん、数字にとってはそうかもしれないが、失った人材の創造性やモチベーションが業績にどれほどの影響を与えるかを考えると、本当に「成功」と言えるのか?数字と一緒に失ったものの大きさを実感するのは企業側だけではなく、働く側でもあるのだ。しかしそのことを企業側がどれだけ考慮するのかは疑問が残る。
最後まで目を覆いたくなるようなニュースだけに、自分も突発的に職を失う可能性を考えざるを得ない。経済や企業の動きは、会社員一人一人の生活にいかに影響を及ぼすか、という視点を忘れてはいけない。状況が良くなる印象を受けることは少なく、むしろ厳しさが増していく一方だ。
正直な話、このニュースを『他人事』で済ませるのは簡単だ。問題は、自分の仕事や給料にどう跳ね返ってくるか、だ。


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